こんにちは。
前回は肩甲骨について詳しくご説明しました。
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今回は肩甲骨や胸骨との連結部を持ち、体幹と上肢帯を繋ぐ役割を持つ鎖骨についてお伝えします。
まずは鎖骨と他の骨の位置関係を把握してみましょう。
イラストは上半身の左半分を示したものですが、一番上の肋骨を第1肋骨と言います。
この第1肋骨のすぐ上に鎖骨がありますね。
そして鎖骨・各肋骨が、体の中央部にある胸骨に連結していることがわかると思います。
左肩の方を見てみると鎖骨は肩甲骨の肩峰(けんぽう)と接していることがわかります。
この鎖骨の外側端と肩峰、またそれらに付着する靭帯などで、肩関節の大きな受け皿を作り、上腕骨の骨頭を包み込んでいます。
鎖骨は胸骨端・中部・肩峰端に区別されます。
胸骨端(きょうこつたん)
左イラストは右鎖骨を上方から見たもので、右イラストは下方から見たものになります。
どちらも右側に胸骨、左側に右腕があります。
まずは鎖骨の胸骨端の部位について見ていきます。
胸骨端には胸鎖乳突筋、大胸筋が付着します。
胸骨関節面(きょうこつかんせつめん)
胸骨関節面は胸骨の鎖骨切痕と連結し、胸鎖関節をつくります。
肋鎖靭帯圧痕(ろくさじんたいあっこん)
胸骨端の下面に少し浅い陥凹または高まりがあります。
これを肋鎖靭帯圧痕と言い。肋鎖靭帯が付着します。
中部
鎖骨中部の上を鎖骨上窩(さこつじょうか)、下を鎖骨下窩(さこつかか)と言います。
鎖骨上窩はいわゆるデコルテと言われる箇所で、エステティシャンの方はご存知かと思います。
鎖骨中部には大胸筋、鎖骨下筋が付着します。
肩峰端(けんぽうたん)
肩峰端は肩甲骨の肩峰と接する部位です。
ここは鎖骨と肩甲骨の境目が少しわかりにくく、触診が難しいですよね。
この部位には僧帽筋や三角筋が付着しています。
肩峰関節面(けんぽうかんせつめん)
肩峰関節面は肩甲骨の肩峰と肩鎖関節をつくります。
円錐靭帯結節(えんすいじんたいけっせつ)
肩峰端の下面後部の弯曲部にある結節で、円錐靭帯が付着します。
菱形靭帯線(りょうけいじんたいせん)
円錐靭帯結節から外側端付近まで続く線状の粗面を菱形靭帯線と言い、菱形靭帯が付着します。
円錐靭帯と菱形靭帯は合わせて鳥口鎖骨靭帯と言います。
まとめ
鎖骨についてまとめました。
鎖骨の後面〜上肢にかけて、腕神経叢、鎖骨下動脈・静脈、鎖骨下リンパ本幹などが通っています。
猫背などの姿勢不良により、それらの組織が引っかかることもあります。
生活習慣による骨格崩れが起こり、関節のズレや筋のアンバランスさが原因で、違和感や痺れなどの症状を出ている人も多く見られます。
鎖骨や肩甲骨が胸郭と分離して動かせることもポイントです。
鎖骨と関節を持つ、胸骨については『胸骨の構造』をご覧ください。
今回は以上になります。