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仙腸関節の構成と運動

こんにちは。

以前、骨盤の構造について、寛骨と仙骨を別々にお伝えしました。

関連記事①>>骨盤の構造〜寛骨〜
関連記事②>>骨盤の構造〜仙骨〜

今回は寛骨と仙骨で構成される仙腸関節とその動きについて詳しくお伝えします。

仙腸関節の構成

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【仙腸関節の構成】

関節面:腸骨の耳状面ー仙骨の耳上面

 

仙腸関節は腸骨と仙骨の耳状面との間の平面関節です。

両方の骨の関節面は不規則に凸凹していますが、狭い隙間には関節腔を有し、動きが可能な連結です。

ですが、高齢になるにつれ関節面が変形し凸凹が強くなり、関節の動きが出にくくなってしまいます。

そのため、高齢者では無理に動かすことが逆に痛みを起こす可能性もあり、注意しなければなりません。

関節周囲の多くの靭帯により強固に連結しているため、 仙腸関節のみを独立して動かすことは困難であり、脊柱や股関節の動きに連動した受動的な関節です。

手技で動かすことは難しく、運動連鎖を利用したエクササイズにて動かす方が簡単です。

※仙腸関節をピンポイントで動かす手技もあるようですが、エクササイズの方が簡単で効果も感じやすいです。

また、妊娠・出産時には恥骨結合と同様に、結合力がかなり緩くなります。

妊娠中の方を対応する際に骨盤に圧を加えることで、その緩さがすぐにわかるはずです。

 

 

仙腸関節の運動

仙腸関節の運動は、左右の寛骨に対する仙骨の矢状面上の回旋運動になります。

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  • うなずき運動(ニューテーション)
  • 逆うなずき運動(カウンターニューテーション)

この2つの動きがあります。

うなずき運動

仙骨の岬角が前下方に、仙骨尖が後上方に動く

逆うなずき運動

仙骨の岬角が後上方に、仙骨尖が前下方に動く

この仙腸関節の動きによって、仙腸関節周囲の靭帯が緊張したり緩くなったりします。

また、骨盤の歪みにより靭帯の緊張は変化しますので、歪みのチェックは必須になります。

関連記事>>骨盤の歪みパターン

 

まとめ

仙腸関節の構成とその運動についてまとめました。

個人的に、骨盤は臨床経験を積まないと仙腸関節の動きがイメージしにくいと思っています。

また腰痛の訴えに対しては、内科的な疾患も考えながら対応する必要があるため、「骨盤は苦手!」と思われるセラピストもいらっしゃると思います。

女性ならではのマイナートラブルに関しては、『骨盤底筋』だけを鍛えればいいの?ますは骨盤内の構造を知ることから始めませんか? を参考にされてください。

今回は以上になります。