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脊柱はS字カーブ(生理的弯曲)が大切です!不良姿勢と脊柱の関係もお伝えします

こんにちは。

以前、脊柱の構造についてお伝えしました。

今回は脊柱の機能の中でも重要な"S字カーブ"についてお伝えします。

脊柱の機能

脊柱の主な役割は

  • 頭部や体幹の安定して保持する
  • 運動するときや動作をするときの軸となる
  • 脊髄を保護する

主にこの3つが挙げられます。

これらの脊柱の役割を最大限に発揮するために、脊柱のS字カーブがとても大切になります。

脊柱のS字カーブ(生理的弯曲)

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人は立っている時、脊柱はなだらかなS字カーブを描いています。

このS字カーブを"生理的弯曲(せいりてきわんきょく)"と言います。

  • 頚椎|前弯(前方に凸)
  • 胸椎|後弯(後方に凸)
  • 腰椎|前弯(前方に凸)
  • 仙骨|後弯(後方に凸)

このように各部位において、カーブが前弯か後弯かに分かれます。

生理的弯曲は、頭部や身体の重さ、歩行などの動作時にかかる床反力などの外力を分散するために大切な構造です。

人によって異なりますが、各部位に適切なカーブの角度が存在し、それぞれの角度が適切であれば脊柱の機能を最大限に発揮できます。

正しい姿勢での生理的弯曲は脊柱が最大限に機能し、立位姿勢の安定化や筋肉や各関節に負担が少なくなります。

※これは実際にピラティスなどにより正しい姿勢を獲得できた人しか感じることができません。

 

 

しかし、生理的弯曲が強かったり弱かったりすると、筋肉や関節への負担は大きくなってしまいます。

ここからは、代表的な不良姿勢と生理的弯曲の崩れについてお伝えします。

不良姿勢と生理的弯曲の関係

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姿勢の崩れは骨格の崩れであることから、脊柱の生理的弯曲の崩れを意味します。

イラストは代表的な4つの不良姿勢を挙げていますが、一つずつ脊柱の生理的弯曲との関係を説明します。

関連記事>>あなたの姿勢はどのタイプ?代表的な不良姿勢4選

猫背|頚椎前弯↓ 胸椎後弯↑

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猫背姿勢の骨格的特徴は前回記事 猫背による身体の影響は!?肩こりや呼吸との関連も解説します をご覧ください。

猫背の骨格崩れの代表的特徴は

  1. ストレートネック
  2. 胸椎後弯
  3. 肋骨の下方回旋

この3つになりますが、そのうちS字カーブの崩れている部位は

  • ストレートネック...頚椎の前弯減少(カーブの減少)
  • 胸椎...後弯増加(カーブの増加)

このような状態になります。

反り腰|胸椎後弯↓ 腰椎前弯↑ 

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一見綺麗な姿勢に見える反り腰は、脊柱だけに着目してみると

  • 胸椎...後弯減少(カーブの減少)
  • 腰椎...前弯増加(カーブの増加)

と生理的弯曲の変化を認めます。

腰椎の前弯増加に伴って、仙骨は前傾します(ニューテーション)

胸椎は後弯が減少することにより、胸の貼り過ぎやリブフレアといった、肋骨の前方への飛び出しが見られます。

肋骨の位置の変化は横隔膜の機能低下を促すため、呼吸が浅くなったりとしやすいのです。

詳しくは『横隔膜』は呼吸に欠かせません!姿勢崩れはその機能の低下を招きます をご覧ください。

スウェイバック|頚椎前弯↓ 胸椎後弯↑または↓ 腰椎前弯↑

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スウェイバックは猫背と反り腰を組み合わせたような姿勢になります。

そのため脊柱の生理的弯曲も、猫背による変化と反り腰による変化の両方が認められます。

  • 頚椎...前弯減少(カーブの減少)
  • 胸椎...後弯増加または減少(カーブの増加または減少)
  • 腰椎...前弯増加(カーブの増加)

重力に負けているスウェイバック姿勢は、脊柱のS字カーブも崩れている箇所が多いのです。

つまり、姿勢改善や痛み改善に様々なアプローチが必要であり時間も要します。

生活習慣の見直しも必ず行わなければなりません。 

フラットバック|頚椎前弯↓ 胸椎後弯↓ 腰椎前弯↓

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柔軟性が乏しく体が硬い人に多いフラットバックは、イラストのように各部位のカーブが全て減少しています。

  • 頚椎...前弯減少(カーブの減少)
  • 胸椎...後弯減少(カーブの減少)
  • 腰椎...前弯減少(カーブの減少)

生理的弯曲が減少しているということは、脊柱の各椎間関節が詰まっていて関節の遊びがないとイメージしてください。

よって野球の投球動作やゴルフスイングのような、脊柱を回旋させるスポーツが苦手です。

 

まとめ

脊柱の生理的弯曲と不良姿勢との関連についてお伝えしました。

それぞれの姿勢によって脊柱のS字カーブも異なります。

ですので、姿勢によってピラティスエクササイズのアプローチ方法も全く違います。

今回は以上になります。