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上腕骨の構造

こんにちは。

今回は肩関節を構成し、さらに肘関節の構成にも関わる上腕骨についてお伝えします。

関連記事①>>肩甲骨の構造
関連記事②>>鎖骨の構造

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上腕骨は肩甲骨の関節窩と連結して肩甲上腕関節を、橈骨の橈骨頭・尺骨の滑車切痕と連結し肘関節を構成します。

上腕骨は大きく上端・骨体・下端に区別されます。

上腕骨上端

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まずは上腕骨の上端から見ていきます。

イラストの青枠で囲まれた太字の部位が上端に含まれます。

上端には半球状の上腕骨頭があることが特徴的です。

上腕骨頭(じょうわんこつとう)

上腕骨頭は肩甲骨の関節窩と肩関節(肩甲上腕関節)をつくります。

解剖頸(かいぼうけい)

上腕骨頭の周囲に取り巻いている浅い溝を解剖頸と言います。 

解剖頸には薄くてゆったりした関節包が付着しています。

大結節(だいけっせつ)

上腕骨頭のすぐ外側にある大きな隆起です。

この大結節は触診部位としてポイントになります。 

大結節の下方への延長に、大結節稜(だいけっせつりょう)と呼ばれる表面が粗い骨稜があります。

大結節には肩関節のインナーマッスルである棘上筋・棘下筋・小円筋が、大結節稜には大胸筋が停止します。

また、大結節の前面部には、鳥口突起から続く鳥口上腕靭帯が幅広く付着し、関節包上部と癒合してその部位を補強しています。

小結節(しょうけっせつ)

大結節の内側、少し前方にある結節を小結節と言います。

小結節も下方に骨稜が延長し、小結節稜(しょうけっせつりょう)をつくります。

小結節にはインナーマッスルの肩甲下筋が、小結節稜には大円筋・広背筋が停止します。

 

外科頸(げかけい)

大結節と小結節の下方は少し細くなっており、その部位を外科頸と言います。

上腕骨の上端ではこの外科頸が最も骨折が多い部位です。

結節間溝(けっせつかんこう)

大結節と小結節の間、大結節稜と小結節稜の間には溝があり、結節間溝と呼びます。

大結節などの触診が難しい時には、この結節間溝に通る上腕二頭筋長頭腱を探った方が容易に上端部を把握できます。

長頭腱の結節間溝部には、関節包から続く上腕二頭筋滑液鞘(結節間滑液鞘)が長頭腱を包んでいます。

さらにその表層に大結節と小結節の間に張る上腕横靭帯があり、長頭腱を支えています。

上腕骨体

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上腕骨の中央の部分になります。

上腕骨体の前面部にある三角筋粗面、後面にある橈骨神経溝の2つの部位が重要です。

筋肉の起始-停止ですが、上腕骨体前面の内〜外側は上腕筋、骨体の外側縁下部は腕橈骨筋の起始部になります。

また、ちょうど上腕骨の中部内側面には鳥口腕筋が停止します。

三角筋粗面(さんかくきんそめん)

名前の通り三角筋が停止する大きな粗面になります。

橈骨神経溝(とうこつしんけいこう)

骨体の後面にある、内上方→外下方に斜めに走る浅い溝で、橈骨神経が走ります。

橈骨神経溝の上方は上腕三頭筋外側頭、下方は内側頭の起始となり、尺骨肘頭に停止します。

上腕骨下端

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上腕骨下端部は上端部と違い扁平な形で、側方に広がっています。 

この下端部は肘関節の内、腕尺関節腕橈関節を構成し、それらは広くて緩い関節包に包まれています。

(下橈尺関節も関節包に包まれていますが、この記事では除外しています)

また、関節包内面を覆う滑膜が、後述する鉤突窩・橈骨窩・肘頭窩まで包み込んでいます。

内側上顆(ないそくじょうか)

上腕骨下端の内側の骨の突出を内側上顆と言います。

内側上顆は肘・手指関節屈曲筋群の起始部になっており、円回内筋・橈側手根屈筋・長掌筋・尺側手根屈筋・浅指屈筋が付着します。

内側上顆〜尺骨上端にかけ内側側副靭帯(尺側側副靭帯)が付着します。

外側上顆(がいそくじょうか)

上腕骨下端の外側の骨の突出を外側上顆と言い、肘・手指関節伸展筋群の起始部になっています。

肘筋・長短橈側手根伸筋・総指伸筋・小指伸筋・尺側手根伸筋・回外筋が付着します。

外側上顆〜尺骨上端にかけ、外側側副靭帯(橈側側副靭帯)が付着します。

尺骨神経溝(しゃっこつしんけいこう)

内側上顆の後面にある浅い溝で、尺骨神経が通ります。

 

上腕骨顆(じょうわんこつか)

上腕骨の一番遠位にある部位で、上腕骨顆の内側2/3を上腕骨滑車、外側1/3を上腕骨小頭に区分されます。

それぞれ解説していきます。

上腕骨滑車(じょうわんこつかっしゃ)

上腕骨滑車は尺骨の滑車切痕と連結しています。

滑車の上方に鉤突窩(こうとつか)、後面には肘頭窩(ちゅうとうか)と呼ばれる凹みがあります。

肘関節を屈曲した時には尺骨の鉤状突起が鉤突窩が入り、伸展した時には尺骨の肘頭が肘頭窩に入り、関節が綺麗に動きます。

この関節を肘関節の中でも腕尺関節(わんしゃくかんせつ)と呼びます。

上腕骨小頭(じょうわんこつしょうとう)

上腕骨顆の外側1/3の部分である上腕骨小頭は、橈骨頭と呼ばれる上面の小さな凹みと関節を持ちます。 

この関節を腕橈関節(わんとうかんせつ)と言います。

上腕骨小頭の上方には橈骨窩(とうこつか)と呼ばれる凹みがあり、肘関節を深屈曲した時に橈骨頭がはまり込むようになっています。

まとめ

上腕骨についてまとめました。

肩の痛みに対して鍛えることの多いインナーマッスル、大胸筋や広背筋などの表層筋の停止部が多くあるため、部位を覚えて触診できるようになっておくと良いかな、と思います。

今回は以上になります。