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骨盤の構造〜寛骨〜

こんにちは。Tatsuya@PT,pilatesです。

これまで、骨盤チェック、骨盤の歪みパターン、骨盤底筋やその他の骨盤内支持組織についてご説明してきました。

今回は骨盤を構成する骨である、寛骨についてお伝えします。

寛骨

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骨盤を背中側から見たイラストです。

骨盤は左右の寛骨(かんこつ)仙骨(せんこつ)尾骨(びこつ)から成り立ちます。

左右の寛骨と仙骨の間に仙腸関節(せんちょうかんせつ)という関節があります。

仙腸関節は腰痛の原因としてもよく取り上げられる関節であるため、腰痛がある人はほぼチェックが必要です。

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寛骨は腸骨(ちょうこつ)坐骨(ざこつ)恥骨(ちこつ)の3つの骨が癒合して1つの骨になったものです。

寛骨は生後、発育中はそれぞれの骨がY字状の軟骨(Y字軟骨)で結合されていますが、7〜8歳に坐骨と恥骨が、16〜17歳には全ての軟骨結合が骨化します。

ピラティスや臨床でよく触診する寛骨のポイントは

  • 上前腸骨棘(ASIS)
  • 上後腸骨棘(PSIS)
  • 恥骨稜

こういった部位はお客様自身でも簡単に触れることができます。

姿勢に関しては上記の3つのポイントだけでも良いかもしれませんが、痛み改善であったりセラピストならもう少し掘り下げた方が良いかと思います。

ということで、寛骨→腸骨→坐骨→恥骨の順に、各部位をご説明します。

寛骨臼(かんこつきゅう)

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イラストは右寛骨の各部位を示したものです。

中央に大きな半球状の陥凹があり、これを寛骨臼と言います。

寛骨臼には大腿骨頭(だいたいこっとう)がはまり込み、股関節が形成されます。

寛骨臼の関節面は月状面(げつじょうめん)、関節面の欠けている部分を寛骨臼切痕(かんこつきゅうせっこん)、月状面に囲まれた部分を寛骨臼窩(かんこつきゅうか)と言います。

寛骨臼の周縁には関節唇(かんせつしん)が付着しています。

また、寛骨臼の上縁は大腿直筋の起始部にもなっています。

閉鎖孔(へいさこう)

寛骨臼の下にある空洞で、閉鎖神経閉鎖動脈・静脈が通ります。

内・外閉鎖筋は閉鎖孔を通りませんが、その周囲を覆うように付着しています。 

腸骨

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腸骨は寛骨の上方の大部分を占め、腸骨窩には多くの内臓器が乗っています。

上前腸骨棘 (じょうぜんちょうこつきょく)|ASIS

ASISは縫工筋大腿筋膜張筋の起始部になります。

また、腹横筋内腹斜筋の触診時にはASISをポイントにして探っていきます。

靭帯では鼠径靭帯の付着部になります。

鼠径靭帯はASISと恥骨結節の間に張る靭帯で、そのすぐ下を腸腰筋大腿神経大腿動脈・静脈が通ります。

上後腸骨棘(じょうごちょうこつきょく)|PSIS

PSISと耳状面の間は腸骨粗面(ちょうこつそめん)と呼ばれます。

PSIS〜腸骨粗面にかけて後仙腸靭帯が付着し、PSISの尾側で触れることができます。

腰痛を訴える人はこの靭帯の圧痛を確認することが多いので、PSISはチェックする必要があります。

※圧痛=その部位が原因とはなりません。

下前腸骨棘(かぜんちょうこつきょく)

大腿直筋の起始部になります。 

 

 

腸骨翼(ちょうこつよく)

腸骨の平たい部分です。

腸骨翼の外側面は臀筋面(でんきんめん)と呼ばれる大臀筋・中臀筋・小臀筋が付着しています。

腸骨窩(ちょうこつか)

腸骨翼の内側の部分になります。

腸腰筋の一部である腸骨筋が付着します。腸腰筋は姿勢保持にも、動作を行う上でも大切な筋肉ですよね。 

腸骨稜(ちょうこつりょう)

腸骨翼の上の縁を腸骨稜(ちょうこつりょう)と呼びます。

この腸骨稜は出生時には軟骨基質ですが、25歳頃まで骨化しないと言われています。

腸骨稜の外側面には外腹斜筋・内腹斜筋・広背筋が、内側面には脊柱起立筋・腰方形筋・腹横筋が付着します。

また腸骨稜の内唇の後端部には腸腰靭帯が付着しています。

耳状面

腸骨窩の後ろ1/3の部分にあたり、仙腸関節の関節面になります。

耳状面はL字型であり、若い人は平坦で滑らかですが、高齢になると隆起や溝などが見られます(ボコボコしている)。

そのため仙腸関節は高齢者では、動きにくくなることが容易に想像でき、骨盤矯正などといって無理やり仙腸関節を動かすことはリスクが高いと考えられます。

坐骨

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坐骨棘(ざこつきょく)

坐骨棘は外旋六筋の一つである上双子筋の起始部になります。

また靭帯では、仙棘靭帯(せんきょくじんたい)の付着部です。

後述の大坐骨切痕・小坐骨切痕と関連してポイントになってくるのが坐骨棘です。

大坐骨切痕(だいざこつせっこん)

大坐骨切痕、仙結節靭帯、坐骨棘に付着する仙棘靭帯で、大坐骨孔(だいざこつこう)と呼ばれる空間を作ります。

大坐骨孔の真ん中を梨状筋が通り、その隙間を神経・動脈・神経が走っています。

坐骨神経は梨状筋の間を通ったり、梨状筋の上もしくは下を通ります(人によって坐骨神経の通り道は異なります)。

小坐骨切痕(しょうざこつせっこん)

小坐骨切痕は仙棘靭帯、仙結節靭帯で、小坐骨孔(しょうざこつこう)と呼ばれる空間を作ります。

筋肉では外旋六筋の一つである内閉鎖筋がグイッと引っかかってカーブするところであり、また神経・動脈・静脈が通ります。

坐骨結節(ざこつけっせつ)

ハムストリングスの中でも、大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋の起始部になります。

恥骨

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恥骨結節(ちこつけっせつ)

長内転筋の起始部になります。

長内転筋は股関節の屈曲角度によって、その作用が変わることで有名です。

恥骨稜(ちこつりょう)

腹直筋の起始部になります。

※腹直筋はテキストによって付着部が恥骨結合だったり、バラバラなので、恥骨と覚えておけばOKです。

恥骨下枝(ちこつかし)

大内転筋などの内転筋群の起始部になるので、おおよその位置は覚えておいた方が良い部位になります。

恥骨結合面(ちこつけつごうめん)

この面は左右で対面して恥骨結合をつくります。

恥骨結合面は薄い硝子軟骨で覆われ、左右の骨を繊維軟骨性の恥骨間円板が連結します。

恥骨結合は出産時に緩むことが知られています。 

 

まとめ

骨盤を構成する寛骨についてまとめました。

他にも部位に名前はたくさんあるのですが、骨盤をよりイメージしやすくなるところや筋・靭帯の付着部になる部位を主に取り上げました。