りはろぐ|身体の仕組みを伝えるリハビリブログ

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ズレて固くなる関節、ズレて緩くなる関節(ジョイント・バイ・ジョイント セオリー)

こんにちは。

前回は運動時の関節のズレの原因をお伝えしました。

今回はトレーナー業界で常識になってきている、ジョイント・バイ・ジョイント セオリーについてお伝えします。

ジョイント・バイ・ジョイント セオリーとは?

この理論は簡単に言うと、

「身体を動かす時にはよく動く関節と固定する関節がありますよ。この理論に従って動作をした方がいいですよ。」

という考え方になります。

 

では、身体のどの関節を動かして、どの関節を固定した方がよいのでしょうか? 

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上のイラストを見てください。

  • モビリティ関節→よく動く関節
  • スタビリティ関節→固定する関節

ざっくりとこのように分類されています。

これは各々の関節の役割と考えてください。

次のイラストを見ていただくと各関節の傾向がご理解いただけると思います。

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  • よく動く関節は、ズレて固くなりやすい傾向があります。
  • 固定する関節は、ズレて緩くなりやすい傾向があります。

 実際には個人差もあり、直接ご本人を見てその動作を仕方を見なければならないのですが、大抵の方がこのパターンに当てはまります。

 

慢性痛とジョイント・バイ・ジョイント セオリー

首、腰、膝の痛み

この3つの部位に慢性痛が出現しやすいですよね。そのまま放っておくと変形などを起こしてしまいます。

では先ほどのイラストをもう一度見てみましょう。

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イラストの右側、元々は固定すべき関節が慢性痛を起こしていますよね。

元々固定すべき関節が、ズレて緩くなってしまい痛みが出現してしまうのです。

つまり、

慢性痛→関節がズレて緩くなっている

ということです。

※「関節が緩い≠関節の可動域が広くて柔らかい」ですのでご注意ください。

肩、股関節の痛み

  • 股関節

この2つもよく痛みが出やすい部位です。

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再度イラストを確認すると、肩や股関節はイラストの左側、元々はよく動く関節であり、ズレて固くなる傾向があります。

これらの関節はズレて固くなっている場合は痛みが少なく、

ズレて緩くなっているときに痛みが強くなることがほとんどです。

結局、どの関節もズレて緩くなることが問題となるのです。

慢性痛を改善するために

ジョイント・バイ・ジョイント セオリーを元に慢性痛の原因を一言で伝えると

『関節がズレて緩くなるから痛みが出る』

ということです。

そのため慢性痛を改善するには、

  1. 関節のズレを修正する
  2. 正しい関節の位置で筋肉を鍛えて、関節を安定させる
  3. 正しい関節の位置を保持したまま動作が行えるようになる

この3つがとても大切です。

今回は以上です。

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